世界に目を向けてみよう! 台湾とモロッコ

グローカルという言葉をあちらこちらで耳にします。グローバル(Global:地球規模の)+ローカル(Local:地域的な)の造語なのだそうです。地球規模でものを考え、地域の視点で行動すること。ずいぶん前から言われてきたThink globally, act locally.と同じで感じでしょうか。

そんなことを考えていると、いろいろ海外の風が吹いてきます。一つは山形県私立中学高等学校協会の九里会長が中心になって締結した、山形県の私立高校と台湾の7つの大学との協定です。先日の調印式はもちろんオンラインですが、こんな感じでした。

県総体の代休日で全部の私立高校はそろいませんでした

冒頭、台湾の方から、「日本の皆さん、ワクチンをありがとう!」と感謝の言葉がありました。日本から台湾へワクチン124万回分が無償提供された直後で、台湾の蔡総統のツィートをはじめ国全体が日本へ謝意を表明している時期だったようです。台湾の大学は学費が安く、学ぶ環境としては良いところだとのことでした。

コロナ禍以前は選択制修学旅行のコースの中に台湾が含まれ、私事旅行を含め数度の渡航歴があり、早く行けるようにならないかと思っていたところでした。

本校の高校生にかぎらず日本の若者は縮み志向と言われ、海外への興味が少し薄いような気がします。最近は希望を取ると、台湾より、沖縄より、USJへ行きたい生徒が多くなっていて、10年前修学旅行の行先希望のトップがシンガポールだったことに比べると変わったかなぁと思います。

そんな中、生徒たちの目を海外にも向ける取組みが進んでいます。青年海外協力隊としてモロッコ滞在歴のある川合先生がきっかけを作り、世界環境デーに合わせ、モロッコと環境ビデオを交換することになり、1年3組作のビデオがモロッコへ送られました。この中で、学校の様子を説明し、省エネや植物を育てること、ごみ問題やマイバッグなど生活の様子が説明されています。

モロッコの言葉でであいさつ
移動教室の際、電気を消そうとする場面

そして今日は、モロッコのサハラ砂漠でエコファームを作る活動をしている岩間ひかるさんにzoomで講演をしていただきました。

zoomでお話を伺います 6校時目は教室より大画面のメディアセンターで
岩間ひかるさん

こちらは午後ですが、モロッコはまだ早朝。なぜ、モロッコに住むことになったのか、砂漠で農業をするようになった経緯などを説明してくださいました。岩間さんは高校時代の地理の授業に興味を持ち、大学で地理を専攻し、砂漠の農業が卒論のテーマだったとのことです。大学時代に初めて見た砂漠が、圧倒的に美しく見ほれた!とのお話を伺ったこと、印象的でした。それにしても世界とつながることの簡便さ、インターネット環境がもたらすものの威力にびっくりです。

今時の高校生は本当に忙しく、空想に浸る暇も、遠い国へ思いを馳せる暇もないような気がします。こんなご縁がなかったら、考えることもなかった砂漠の世界かもしれません。岩間さんのように決定的な影響を受けた高校時代とまではいかずとも、少しづつ彼らの感性を刺激できればと思っています。