3.11を忘れない 9年目の被災地ボランティア

11月2日の朝、まだ暗いうちに生徒たちが集まってきました。漸く明るくなり始めた6時、バスに乗り込み出発した行先は石巻市です。2011年3月11日の東日本大震災後のボランティアが8年半を経過した、今年も続いています。

震災の年の夏、「ボランティアに行きたいから、学校のバスを出してください。」と生徒会執行部が言いだし、それ以来毎年続いています。飲み水もない、手を洗う水もない震災直後は、瓦礫の片づけと支援物資の運搬などの作業をしました。その後、側溝の泥上げ、除草、傾聴と、年を経る中で活動内容はどんどん変わってきました。

石巻は豊かな海での養殖が盛んなところでしたが、船をはじめ漁業に必要な道具の多くが、津波で失われてしまいました。その後、生産量がなかなか回復しない中、ここ数年は漁業の手伝いをさせていただいています。

今回は3つのグループに分かれ、それぞれの家でホヤの種床をつくるお手伝いです。ホヤの産卵が始まる11月末には、牡蠣の殻に穴をあけ紐で数十個つないだものを海中につるさなければなりません。生徒たちの前には牡蠣殻の山。午前中いっぱいでたくさんの種床をつくることができました。

午後は台風被害で冠水した地域の側溝の泥上げのため移動。石巻ボランティアセンターの方が道具を準備してくださり、説明を受けて作業開始です。

ここは今日の参加者全員で取り組んだため、1時間程度ですっかりきれいになりました。

そのあとは門脇地区で津波被災の状況を学び、復興の灯の前でセレモニーを行いました。そろそろ影が長くなり、早い日没が迫ってきました。帰りのバスの中で一日を振り返る感想交流をして、学校着は18時30分。休日の丸一日をボランティアに費やしてくれた35名は、自慢の生徒達です。運転・引率の先生方、ありがとうございます。