被爆ピアノによる平和コンサート 

修学旅行1週間前になりました。毎週火曜の午後は修学旅行の事前学習。3つのコースから選択して、旅行先を選びますが、どのコースもしっかりと事前学習をします。本校では平和学習ができるところに旅行先を限定しています。広島・関西コースは広島で被爆したピアノでの平和コンサートが、事前学習の仕上げになりました。

被爆したピアノを持って全国で平和コンサートを企画してくださっているのは、広島市内でピアノ工房を主宰している調律師の矢川光則さん。爆心地からわずか2.6㎞で被爆した傷だらけのピアノを託され、全国で原爆被害を伝え続ける活動をなさっています。この活動の中、原爆を投下したエノラ・ゲイ号の搭乗者の孫に出会い、搭乗者もまた被爆していたことを知り、託された絵とと共に紹介され、戦争にはいいところが一つもないと語られました。今日は小中学校も合わせて、4校でのコンサートだそうです。スケジュール調整など、とりまとめをご担当いただいたのは、作谷沢小中学校の校長先生です。お忙しい中、ご同道いただき感謝いたします。

今日はこのピアノを、山形で活躍していらっしゃるピアニストの近藤阿由良さんに弾いていただきました。矢川さんは「演奏できる程度にしかピアノを直さない。あれこれ修理してしまうと、被爆ピアノではなくなる。」とおっしゃっていましたが、昔のピアノは材料が良いそうで、近藤さんの手から流れ出す音は、大変美しいものでした。

この矢川さんの活動は、来年映画として公開されるとのことです。映画のポスターになっているのは、まさに今日お持ちいただいたホルゲル製のこのピアノ。

修学旅行直前に、素晴らしい機会をいただきました。私たちも、戦争を学び平和について考え、行動する高校生を育みたいと改めて思いました。