今年は感染症のため、インターハイを始めそこにつながる公式戦がすべて中止になりました。3年生にとっては最後に力を発揮する場がなくなり、悔しい思いをすることになりました。そんな中、一部の競技では地区大会の規模で交流試合を企画し、この週末を中心とする前後 2週間に開催が集中しました。
18、19日は県総合運動公園の運動広場でsoftball festivalが開催されました。当日メインスタジアムでは陸上競技の地区大会も行われていて、運動広場までアナウンスが聞こえてきます。男子1500mの出場選手の紹介で、あれ?と思うほど何人も東海大学山形高校という所属名がコールされていました。あとで聞いたところによれば、本来は一つの学校からは一種目に3人しかエントリーできないのですが、今回はこの制限がなく、3年生が全員出場できたとのことです。いつもの年は校内の選考を通るのが大変な中、みんなに活躍の場が用意される、例年とは違う大会となりました。
ソフトボールも特別のルールでベンチメンバーを試合ごとに登録でき、15人いる3年生全員が試合に出ることができました。例年最後の試合になる可能性がある大会には、誰をエントリーするか、指導者にとっては苦しい決断があるのですが、今年に限っては違う状況です。失った機会、得た機会、様々なことを考えながらの観戦となりました。
25、26の両日も各所で交流試合が行われました。県総合運動公園の体育館メインアリーナでは、バレーボールコート4面で男女の試合が行われています。屋内の競技は感染症対策が一層大変そうです。
男女とも初戦を突破し、3年生が勝つ喜びを経験し引退できたのは何よりです。男子バレー部は3年生中心で試合に臨むことを優先したとのこと。下級生が元気に応援をしていたのが印象的でした。
こんな中、県レベルの大会ができたのは、野球ただ一つです。控えの部員と、事前に届け出て2週間の検温記録を提出した保護者以外はスタンドに入れず、声を出しての応援は禁止。全校応援のにぎやかさに慣れてきた私にとっては新鮮な体験でした。一つ一つのプレーに送られる整然とした拍手、グラウンドの選手同士のやりとりがはっきり聞こえるどころか、ボールがミットに入る音まではっきりと聞こえるという、いつもとは全く違う球場です。校歌も歌わず、流れる校歌を直立して聞くだけ。何もかもが例年とは違います。結果は14年ぶりの決勝進出となりました。決勝戦は次の土曜日です。
いまだに公式戦の目処が全く立たない競技もある中、活躍の場をもらった諸君は、試合ができるありがたさを心に刻んでください。2011年も平常の部活動ができるありがたさを感じた年でしたが、今年は活動できなかった期間が一層長く、辛い練習さえ待ち遠しかった時期があったことを忘れずにいましょう。何とか高校生の活躍の場をつくり、サポートしたいと活動する大人たちがいたことも、あわせて記憶してもらいたいと思います。