県総体ソフトボール競技は本校のキャプテンの選手宣誓で始まりました。聞いていると様々なことが思い出される心に残る宣誓だったので、以下全文を掲載します。
「2年前の4月、インターハイという大きな舞台を目標に掲げ覚悟と希望を抱き、高校ソフトボールが始まりました。しかし、今に至るまでの道のりは思い描いたようには進みませんでした。コロナウィルスの影響で大きな制限がある中、ソフトボールに打ち込んだ日々を思い出します。プレーがうまくいかず失敗して悔し涙を流し、悩み苦しんだ時期もありました。それでもソフトボールに対する情熱は変わることなく、悔しさを糧に一皮二皮むけて成長してきました。
青春と言える時間を共に過ごした仲間と、切磋琢磨しながら幾つもの壁を乗り越え、今日この日を迎えます。愛情と熱のある指導でここまで成長させてくれた監督・コーチ、大会役員の方をはじめこの大会に携わる全ての方々、一番近くで応援し支えてくれる家族に、全力でプレーすることが感動と笑顔を贈る最高の恩返しだと思います。
今年はコロナ禍以前の歓声がグラウンドに戻ってきます。大きな声を出し、伸び伸びとプレーできる喜びを噛み締め一投一打気持ちを込め全力でプレーすることをここに誓います。
令和6年6月7日 東海大学山形高等学校 主将 半田朱」
過ぎてしまえば、あんなこともあったと思える「コロナ禍」ですが、生徒たちにとっては、やりたいことが大きく制限された苦しい日々で、その当事者意識の鮮明さに心を打たれます。
思い出してみれば、学校を開けるか閉めるかに象徴される決断の日々でした。修学旅行、体育祭、建学祭も実施or中止の決断をしなければなりませんでした。あれ程大変だったはずなのに、すっかり忘れている大人(自分)。生徒たちのたった一度の高校時代に刻まれたコロナの爪痕と、それを共に乗り越えてきた仲間との日々。たくさんのことを考えさせられました。
この選手宣誓に込められた思いは多くの部活動に共通していることでしょう。本校ではソフトボール部と空手道部が、インターハイ出場を決めました。おめでとう。
一方、目標に届かなかった皆さん(こちらが多数派、全国大会の出場券を得られるのは団体種目はその競技で一校だけなのですから)、叶わなかったけれど、目指した日々の尊さは消えません。自分達の努力を讃え、少し休んだら次なる目標に向かいましょう。何十年も前の燃え尽き症候群典型だった自分を思い出しつつ、次のステージに立つみなさんを見つめています。