本校の自慢の一つは、卒業した生徒達がたくさん顔を見せてくれる事でした。新型コロナ感染症が始まるまでは・・・。ところが、卒業生の来校を制限せざるをえない状況になり、すでに3回目の春を迎えようとしています。卒業後最初の5月の連休、夏休み、そして春休みは卒業生が訪れてくれる3大シーズンだったのに、県外からの来校者を校内に招く訳にもいかず、すっかり様変わりしてしまいました。
ある日の午後、何とか締切に間に合わせようとひたすらパソコンに向かっていた時、事務室からの電話がありました。「卒業生がお話したいと来ているのですが、玄関まで来られますか?」とのこと。名前を聞いて、校長室を飛び出しました。彼女もコロナ禍の被害者。航空会社に勤務したいと英語を学びに大学へ行ったけれど、卒業の年はまったく募集がない年でした。やむなく不動産業界に就職したと、ここまでは聞いていましたが、その後を報告に来てくれたのでした。どうしても自分の仕事に納得できなかった彼女は結局会社を辞め、新しい展開を探したそうです。「明日、山口県に向かって出発します。」と言った彼女の行先は航空自衛隊!どうしても飛行機と英語をあきらめられない彼女が選んだ新しい仕事です。卒業の時に私が言った、「絶対にCAの夢かなえてね」の言葉が忘れられず、大卒採用の限られた人数に合格したこと、報告に来てくれたと。たった10分程度の立ち話しかできなかったけれど、うれしい時間でした。ブログにしばしば書いていますが、先生たちがずっといるのは私学のいいところだと自慢できます。
大学4年生、夢を叶えた報告に担任の所へ来た卒業生。大学2年生、順調な単位取得状況を教えに来てくれた3人組、ついでにその他の卒業生の情報もいろいろ話していってくれたそうです。担任にどこで対応してくれたのか聞いたら、「玄関外」とのこと。早くゆっくりお話しできる日々が戻ってきますように!
そして今日は、二人のお子さんが卒業したお母さんが、200枚ものぞうきんを持ってきてくれました。
お子さんは二人とも県外の国立大学へ進学。大学を卒業し働き始めている姉、大学2年生になった弟、すっかり自分の時間ができて、雑巾を縫いながらいろいろ思い出しているのだそうです。雑巾というにはあまりにきれいな、むしろ布巾です。あちこち消毒液を使うのにぴったり。その上、赤・青・緑学年のカラーにもぴったりです。
今年の新入生は「青」の学年です。昨日、オリエンテーションを終えたばかり。オリエンテーション後の椅子も全部消毒し収納しました。感染防止に万全を期して新しい仲間をお待ちしています。