第1体育館の1階アリーナは、柔道と空手道と卓球の3つの運動場に分かれています。柔道場には薄い黄色とくっきりした青の170枚の畳があります。柱の緩衝材は鮮やかな黄色でイケアを思わせるようなカラーリングですが、東海大学の畳の色はこういう感じなのだそうです。
先日はこの畳の上で、保健の授業が行われていました。2年生全員が、心肺蘇生とAEDの使い方を学びます。日本赤十字社山形支部のボランティアの方からご指導をいただき、実際にやってみることになります。教室でただ方法を聞くという学びよりも、ずっと実践的です。
畳はこんなふうにも役立っていますが、本来はもちろん柔道用。木曜日の6校時は柔道の研究授業でした。本来の使い方とはいえ、本来でないのは、柔道の授業なのに柔道着を着ないことと、全員最初から最後まで、マスク着用のこと。実は今年、立ち技も、寝技もできません。感染症の影響で組むことができないのです。こんな中、授業はしっかりした準備運動から始まりました。
それからは受け身の練習。後受身、横受身、前受身と続きます。畳にあたる音までしっかりそろっています。
この練習中、指導する石川先生の口からよく出たのは「顎をしっかり引いて」という言葉でした。頭を打たない訓練は、いろいろな場面で役立つとのことです。次に回転運動を前転→後転→それぞれ開脚と続いてから前回り受身、最後は障害物を置いた前回り受身と続きます。
教案を見た時、「受身」だけで一時間授業ができるのだろうか?と思いましたが、見ている方にはあっという間、1時間が短く感じました。とにかく整然とした印象を持った柔道の授業でした。
柔道という競技は、負け方(投げられ方)を最初に学ぶ競技だとずいぶん前に教えてもらいました。「最初に負け方を教わるなんて、こんな競技は他にないでしょう」という塚田先生の言葉を懐かしく思い出しました。
生徒も先生も1時間ずっとマスクを着けたままでの授業です。準備体操から結構ハードで、それでも外せないマスクと、きりっとした座礼・立礼が印象的でした。