長い教員生活の中で、経験したことのないような1年が終わろうとしています。突然予定が吹き飛んだ3月以来、何度も何度も日程を変更しなければなりませんでした。その前から価格高騰どころか、手に入れることさえ大変だったマスク、消毒液!6月になり、ようやく生徒たちの登校が日常に戻ると、「使った後は消毒」という膨大な仕事が増えることになりました。
増えたのは消毒作業、減ったのは行事及び大会。今年、全校生を体育館に集めた行事は一度もありませんでした。全校集会も、始業式も、終業式、生徒総会もすべて代替手段を考えなければなりませんでした。特に3年生にとっては最後のインターハイに繋がる大会がなくなり、代替大会が企画された種目がいくつかあったのがせめてもの救いという事になりました。
こんな中、「失ったものを数えていても仕方がない。自分たちでやれる範囲でやってみよう。」という生徒たちの柔軟さに救われる場面がいくつもありました。思いっきり種目を絞った体育祭や、校内中の壁を使い展示をメインにした建学祭、zoomで教室をつないだ生徒会総会等。これまでと違ったやり方であっても、まずはやってみようという姿勢が顕著で、「例年通り」から抜け出すのに抵抗のない、しなやかさは見事なものがありました。
男子陸上競技部が出場した、全国高校駅伝競走大会は観戦者は制限されたものの、例年並みの形で開催された数少ない大会でした。これまでのチーム記録を1分45秒縮め、順位はまだまだかもしれませんが、強豪校がそろう中で、全員がやり切った感をもって帰形しました。応援ありがとうございました。
先週土曜日をもって講習が終わり、今日登校しているのは一部の部活動と学校で勉強したい受験生。年明け1月の新人戦を抱える部活動や、共通テストに臨む3年生に対してはもう少し学校を開けておきたい気持ちもあるのですが、一方にぶら下がっている働き方改革があり、明日から3日まで学校は冬眠します。今日は大掃除とまではいきませんが、先生方も身辺をきれいにし、書類を整理し、カレンダーを取替え、来年の準備をしています。
自重の冬休みではありますが、どこにも出かけられない日々だからこそ、読書をしたり、撮りためた番組を見たり、知識を広め考えを深める時間にしたいと思っています。皆様よいお年をお迎えください。