被爆ピアノによる平和コンサート

今年も、広島から運んでもらった被爆ピアノの演奏を聴くことができました。2年生は週1時間、現代文明論の時間に戦争と平和について学び、旅行先を知る学習を続けています。その一環として昨年から被爆したピアノによる演奏をお聴きする機会を得ています。

『お母さんのピアノ』という映画にもなった矢川ピアノ工房の矢川光則さんが、ピアノをトラックに載せて運んできてくれています。今年お持ちいただいたのは「ミサコのピアノ」。爆心地から1.8㎞で被爆したピアノですが、弦は3本しか取り換えていないとのことでした。

最初に矢川さんから、この被爆ピアノに関するお話を伺いました。次にピアニストの橘光一さんに演奏をしていただきました。『ハリウッド万歳』『ディズニーより プリンセスメドレー』カッチーニの『アヴェ・マリア』『さとうきび畑』『ラプソディー・イン・ブルー』の5曲です。橘さんは「たくさんのピアノを弾いてきたけれど、被爆ピアノを弾くときには何か特別な感じがする。」とおっしゃっていました。

9クラスの2年生を半分に分け、同じコンサートを2回実施していただきました。このため、ピアノを囲むように席を配置し、近い距離で参加することができました。本校では修学旅行の行先は選択制で、広島・関西と沖縄の2カ所から生徒自身が選びます。広島の被爆ピアノで沖縄戦に思いを馳せる『さとうきび畑』の演奏を聴くことで、どちらの行先を選んでいても、心に残るコンサートになったことでしょう。

最後に生徒を代表して太田朋輝君がお礼のあいさつをしました。

実は11月に実施予定だった修学旅行は、来年4月に延期することになりました。週1時間の事前学習を経て実施する修学旅行ですので、感染症を避けるためとはいえ、旅行先を変更するのは簡単ではありません。5ヶ月実施が延びた分、さらに学習を深めて臨む旅行を楽しみにしています。

このコンサートは金井中学校の菅野校長先生にお世話いただきました。記して感謝いたします。