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 今年は4年に1度のワールドカップの年です。大会では、日本国民の大半が随分悶々とした日々を送りました。先制点をあげながら、まさかの逆転負けをしたオーストラリア戦、積極的な攻撃を見せながら引き分けたクロアチア戦、個々の力の差を見せ付けられたブラジル戦。「組織を超えた個人の力」に期待したジーコ監督の采配や選手らの努力には賞賛を送りたいと思います。しかし、戦いの結果については、様々なことが言われています。そんな中で気になったのは、「日本の教育ではシュートを打って失敗したことが悪い評価をされる。だから、打てるのに打たないでその責任から逃げる」という監督の事前コメントです。「失敗を許さない教育と国民性が点取り屋の登場を阻む背景」と教育学者は言っています。
 日本の教育のあり方については、昨今、様々な論議がなされています。日本の教育にどっぷり漬かってきた私自身がショックだったのは、東海大学が教育の原点としてきたデンマークの姿です。2年前、デンマークのレフスヅィンディング・フリースコーレという学校を訪れた時のことです。道具小屋で、小学2〜3年生ぐらいの女子がたった1人で電動ドリルのようなもので何かをつくっていました。日本の教師らは、「危なくないの」「怪我したら親から文句は来ないの」とさっそく質問しましたが、「すべて本人の責任です」と言い切られました。この国の義務教育の年限は九年間ですが、10年生クラスというのがあり、学力的・情緒的に不足していると思う人が入ることになっています。しかし、その進級を恥ずかしいと思う人はいません。じっくりと時間をかけて個の成長や権利意識の発達を促してきたデンマークやフィンランドなどの北欧諸国は、OECDの学力到達度調査では世界の上位を占めました。世界一高い「学力」の国と評されたフィンランドでは、競争する学習より共同する学習(「学び合い」)を重視し、比べ癖や脅しによる動機づけを排した穏やかで地道な学習づくりがなされているそうです。
 どんな場面でも、臆することなく、自分を精一杯引き出すことができる力、それは、これから求められる「新しい力」です。この「新しい力」には、北欧などに見られる「自治の心」が必要です。「自治の心」を根付かせ「新しい力」を育てる試みを、本校でも進めたいと思っています。保護者の皆様からのご理解・ご協力をよろしくお願いします。